2019年10月1日に延伸し開業となったゆいレール(沖縄都市モノレール)の新たな4つの駅(石嶺・経塚・浦添前田・てだこ浦西)を見てきました。各駅の様子や構内のアート、現在の周辺の状況などをご紹介します。
ゆいレールの路線図・地図
2019年10月1日に開業日を迎えた4つの新駅は、今まで終点だった「首里駅」から「石嶺駅」→「経塚駅」→「浦添前田駅」→「てだこ浦西駅」へと続き、那覇市から浦添市への延伸となりました。
以下が路線図になります。本当の中央寄りに北へ伸びていくイメージです。
ゆいレール1日フリー乗車券
今回は那覇空港でコインロッカーにスーツケースを預けて、ゆいレール那覇空港駅で24時間乗り放題のお得な「1日フリー乗車券」(大人800円・小人400円)を購入しました。
1駅間が230円なので何度も乗り降りする場合は「1日フリー乗車券」がお得です。48時間乗り放題の「2日フリー乗車券」もあるので、旅の観光スケジュールに合わせて上手に利用するといいですね。
ゆいレールの新駅へ
ゆいレール那覇空港駅の自動券売機で1日フリー乗車券を購入してホームへ。
行き先の案内看板が今までは終点の「首里方面」でしたが、「てだこ浦西方面」に変わっていますね。
進行方向の前方席はすでに混んでいたので、一番後方の席に座りました。こちらは那覇空港方面の海が見えてとても良い景色です。
ゆいレール沿線の観光の拠点「首里駅」でほとんどの人が下車。今のところ延伸区間は地元の人が利用する感じのようです。
石嶺駅
車内メロディー | ちょんちょんキムジナー |
ステーションカラー(基調色) | 赤 |
ステーションパターン(色) | 首里花織 |
アートガラス(モチーフ) | 旗頭、エイサー |
終点だった「首里駅」から延伸区間最初の「石嶺駅」までは約2分。 学校や集合住宅、福祉施設などがある地域住民の多いエリアです。
ステーションパターンは首里花織。
アートガラスは「旗頭、エイサー」です。
首里に古より受け継がれてきた伝統行事、旗頭。それを支えるように深く根をはるエイサーの舞。旗頭の上に鎮座する鳳凰は、羽を末広がりに羽ばたかせ、力強いエイサーの太鼓の音は、石嶺の歴史を受け継いでいく。駅からひろがる二つの 力が、夜になると色鮮やかにまちを染める。
駅の周辺はタクシーや自家用車で乗り降りするための交通広場を整備中でした。
経塚駅
車内メロディー | はべら節 |
ステーションカラー(基調色) | 紫 |
ステーションパターン(色) | うらそえ織り |
アートガラス(モチーフ) | 組踊「二童敵討」 |
続いて那覇市から浦添市へと入り「経塚駅」へ約3分で到着。経塚公園や墓地公園、前田トンネルなどが周りにあり、近くにはJICA(国際センター)や大型商業施設などがあります。
前田トンネルの上には、伝統芸能「組踊」の創始者である玉城朝薫が眠っているのだそう。
ステーションパターンは「うらそえ織」。
アートガラスは、「玉城朝薫より、組踊「二童敵討」 」。
浦添には、ユネスコ無形文化遺産に登録された組踊を上演する国立劇場おきなわがある。そんな組踊を創始した玉城朝薫の「朝薫五番」の一つに数えられる組踊の代表作「二童敵討」。野望に満ち天下を収めたも同然の阿麻和利が、親の敵討ちのため踊り子に扮した兄弟の美しい姿にあっけなく討たれてしまうその様は、人間の本質を描いている。一見とてつもない強さを見せつける阿麻和利だが、隙を見抜き、親のため強い意志を持って敵討する兄弟の芯の強さをこの絵に込め描いた
こちらも駅周辺はまだまだ整備工事が続いているようですね。ホームからは海が見えて景色がいい~。
2020年4月に本島南部・豊崎地区にオープン予定のDMMかりゆし水族館のラッピングゆいレールがちょうど来ていました。
浦添前田駅
車内メロディー | めでたい節 |
ステーションカラー(基調色) | 紫 |
ステーションパターン(色) | 浦添型 |
アートガラス(モチーフ) | 浦添グスク、前田の棒 |
京塚駅から約2分で「浦添前田駅」へ到着。浦添市の歴史・文化施設への入り口となる駅です。
ステーションパターンは「浦添型」。
アートガラスは「浦添グスクと前田の棒術」。
浦添が誇る、浦添城。ターブックヮの広がる前田で無病息災を願いを受け継がれ てきた棒術。そんな前田にとって神聖なワカリジーは、神聖な拝所。冬至の日、聖地である久高島のある方角からワカティダ(若太陽)がのぼり、ワカリジーの頂上を通って浦添を照らし、沖縄島の全てへ注ぐ光となる
浦添前田駅の周辺には、市のシンボルである「浦添城跡」の他、浦添市役所、てだこホール、浦添市美術館などがあります。
メル・ギブソン監督の 映画「ハクソーリッジ」の舞台となった、前田高地・浦添城が近いということを知り、実際に行ってみました。
那覇市を一望できる高台にあり見晴らしがとっても良かった!レポート記事はこちらでどうぞ。
ゆいレール浦添前田駅から徒歩で行くことができる前田高地(映画ハクソー・リッジの舞台)をご紹介します。浦添城跡からの眺めを楽しめますよ。
てだこ浦西駅
車内メロディー | ヒヤミカチ節 |
ステーションカラー(基調色) | 紫 |
ステーションパターン(色) | 知花花織 |
アートガラス(モチーフ) | てだこのまち(太陽・空・海) |
現在の終着駅となる「てだこ浦西駅」には約3分で到着。ドーム型の駅舎が特徴のこの駅はゆいレール唯一の地上駅です。
そして、ゆいレール初のトンネル区間があります。動画で撮影してきましたので、ゆいレールに乗っている気分で終着駅までの景色をお楽しみください。
てだこ浦西駅のアートガラスは壁面ではなく、改札前の天井にあります。とても大きくて豪華な円形のステンドグラスは圧巻です!
てぃーだ(太陽)はこの地の深くに刻まれた歴史やこの地で息づく自然のエネルギーを吸い上げ、今を生きる人々を照らす。そして、明日を生きる私たちの足元を照らす線路となってふくらんだ夢を運んでゆく。てぃーだ未来線地球号にのって、浦添から中部、北部へ、そしてまだ見ぬおきなわへ、ひとっ飛び
上を向いて写真を撮影していたら近くにいたご家族が「うわ~素晴らしいですね!気づかなかったです!!」とおっしゃっていました。もしかしたらこのアートガラスの存在に気づかずに通り過ぎている人も少なくないのかも。
他の3駅よりもかなり豪華で美しいアートです。ぜひ訪れた際には頭上を見上げてみてくださいね!
沖縄自動車道を利用するバスや車からゆいレールの乗り継ぎがしやすいように考えられていて、駅周辺には交通広場やパーク&ライド駐車場(約1,000台収容可能)が整備されています。
2022年には大型商業施設のイオンがオープン予定。ライカムの3分の1ほどの敷地面積があるとのことで、かなり人が集まるようになるのではないかな。
ゆいレールの将来
2両編成から3両編成へ
ここ数年で利用者が増加していること、そして、2020年の那覇空港第2滑走路の利用開始にともなって、さらにゆいレールの乗客が増えるとの見込みから、2030年までに現在の2両編成から3両編成を目指す方針が決まりました。
増便や運転間隔の短縮なども検討されているようなので、今後はもっと便利に利用できるようになっていくのかなと思います。
Suicaが利用可能に
2020年春にはいよいよ待望の「Suica利用」が可能になる予定です。券売機で乗車券を買う必要がなくなるので、さらにスムーズに乗車ができるようになりますよね。
さらなる延伸計画
今後はさらに延伸を続け、将来的には沖縄本島の北部にある名護市まで延長する計画もあるのだそう。どのルートを通るのか、採算が取れるのかなどまだまだ問題はいろいろとあるようですが。琉球大学や宜野湾方面への延伸なども予想されています。
年々沖縄への旅行客が増えていて、レンタカーを借りるのにもかなりの時間がかかるようになっていますし、昔からある渋滞の問題も旅行日程に響いてくるので、車を使わずに本島内を移動できるようになるとかなりありがたい!と切実に思います。
まだ時間はかかるでしょうけれど、今後のゆいレールの発展に期待したいですね!